
電気代5万円!? その原因はエアコンではありません。
熱の6割を捨てる窓を塞げ
1月の電気代、見て見ぬふりをしていませんか?
2月に届く1月分の請求書を見て、言葉を失った方もいると思います。
家賃並みの4〜5万円。寒波が来ると暖房を止めるのが現実的ではなく、燃料費調整額なども重なって、努力しているのに報われない感覚になりがちです。
そこで多いのが、節約という名の我慢です。
設定温度を下げる、厚着をする、使う部屋を減らす。どれも間違いではありませんが、暮らしの快適性を削り続けるやり方には限界があります。体調を崩しては元も子もありませんし、ヒートショックのリスクも上がります。
建築の立場から見ると、問題はエアコンの使い方よりも、家の弱点から熱が逃げている点にあります。寒さ対策は我慢ではなく、性能へ投資したほうが結果的に合理的です。
犯人は「アルミサッシ」。熱の58%は窓から逃げている
冬の暖房時、家から逃げる熱のうち、開口部が大きな割合を占めることが知られています。
断熱関連資料では、熱の逃げ道の例として、開口部が58%というデータが示されています。
これは特定条件の住宅を想定した目安の図ですが、築年数が経った住宅ほど窓が弱点になりやすい、という方向性をつかむには十分役立ちます。
ここで見落とされがちなのがサッシ枠です。
仙台の築20年以上の住宅ではアルミサッシがまだ多く残っています。
アルミは鍋やフライパンに使われる素材で、熱をよく伝える性質があります。
料理には都合がいい一方、住宅では不利です。
外の冷たさを室内側に渡しやすく、窓まわりの体感温度を下げ、足元に冷気が落ちる現象を起こしやすくします。
素材の数字も確認しておきます。
アルミニウムの熱伝導率は約237W/mK、塩ビなどの樹脂は約0.19W/mKとされ、単純比較で1000倍前後の差になります。
アルミは熱を通しやすい。樹脂や木は通しにくい。この性質の違いが、窓の寒さの根っこです。
犯人は「窓」。熱の58%はここから逃げる
冬の暖房時、家から熱が逃げる割合(目安)
なぜプチプチや厚手のカーテンでは勝てないのか
窓にプチプチを貼る、厚手のカーテンに替える。
こうした工夫でガラス面の冷たさが和らぐことはあります。
やった分だけ体感が変わるので、否定はしません。
ただ、勝ち切れない理由があります。
ひとつはサッシ枠です。
特にアルミ枠は冷え込みやすく、枠そのものが冷たくなると、その周りの空気が冷やされて足元に落ちます。
ガラス面だけを覆っても、枠から来る冷えの質は残りやすいのです。
もうひとつは隙間です。
暖房費を押し上げるのは、断熱の弱さだけではなく漏気です。
隙間風があると、どれだけあたためても暖かい空気が出ていきます。
カーテンでは空気の出入りを止めきれません。
小手先の対策が悪いのではなく、構造の弱点を潰す対策が必要という話です。
【成功例】内窓をつけたら、朝のファンヒーターが不要になった家
内窓を設置したお客様がよく口にされるのは、室温の数字より体感の変化です。
朝起きたときのヒヤッとする感じが減った。
窓際に立っても足元が冷えにくくなった。
設定温度を下げても、寒く感じにくくなった。
朝だけ使っていたファンヒーターを点けなくなった。
体感が変わる大きな理由は、窓面温度と気流です。窓が冷たいと、身体の熱が窓へ奪われ、同じ室温でも寒く感じます。内窓で窓面の冷え込みが緩和されると、寒さの感じ方そのものが変わります。
【成功例】内窓で「体感」が変わる理由
足元を襲う「冷たい気流」をシャットアウト
窓で冷やされた空気は重くなり、床を這うように足元へ流れてきます(左図)。内窓をつけると、この「冷気の滝」が止まるため、室温計の数字以上に暖かく感じるようになります。
コスパ最強リノベ。内窓(インプラス等)の費用と工期
断熱改修の王道は、屋根・壁・床を含めた全体改修です。効果は大きい反面、費用も工期もまとまります。現実的に最初の一手としておすすめしやすいのが、窓の強化です。熱が逃げやすい弱点を先に塞ぐ発想です。
内窓は、今ある窓の室内側にもう一枚取り付けます。既存窓との間にできる空気層が断熱に効き、断熱効果・結露軽減・遮音効果などのメリットが公式に示されています。
工期も強みです。LIXILの案内では、1窓あたり最短約60分でリフォーム完了という説明があります。現場条件で前後しますが、複数窓でも1日で完了するケースが多い理由がここにあります。
費用については窓サイズやガラス仕様、ふかし枠の有無で変わるため、記事で断定的な金額は避けます。目安の感覚として、壁を壊す大掛かりな断熱改修より手が届きやすく、費用対効果を感じやすい投資になりやすい、というのが実務の実感です。
補助金にも触れておきます。先進的窓リノベ2026事業は環境省が概要資料を公開しており、登録されたリフォーム事業者等が申請する形が基本です。制度は更新・変更があり得るため、使う前提なら工事時期と要件確認が重要です。
内窓リノベ「投資回収」の考え方
補助金活用で「元が取れる」期間を短縮
電気代が下がる分を
「貯金」と考える
大型補助金の活用で10年前後〜で回収できる可能性も。
(※現在の電気代高騰下ではさらに早まる傾向)
仙台の寒さは「防音」もセットで解決できる
内窓の魅力は、寒さだけで終わらない点です。
遮音の体感が大きいケースが多く、車の音や生活音が気になっていた方ほど変化を感じます。
仕組みはシンプルで、窓が二重になり、中間空気層が障壁になります。
LIXILは、外窓と内窓の間隔が大きいほど遮音効果が向上すること、気密性を高めることが遮音に有利なことを説明しています。
結露についても、公式説明は結露の発生を抑える、結露軽減という表現です。
室内の湿度条件によっては外部サッシ側で結露が起こる場合がある、という注意書きもあります。
現場では、この正直な前提が大切です。
まとめ:電気代を払い続けるか、資産価値(リノベ)に投資するか
毎月の電気代は、支払った瞬間に消えていきます。
内窓は住まいに残り、快適さとして残り、資産価値の下支えにもなります。
設定温度を下げる前に、熱が逃げる穴を塞ぐ。
我慢ではなく、性能に投資する。
仙台の冬を、家の力で乗り切る準備として、窓から始めるのが合理的です。
お好みの方法でご相談ください。
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よくある質問(Q&A)
Q1:マンションでも内窓はつけられますか?
A:施工できるケースは多いです。内窓は室内側に取り付けるため外観を変えにくい一方、マンションの窓は共用部分扱いになっていることもあり、管理規約で届出や承認が必要な場合があります。工事前に規約確認や管理会社への一報をおすすめします。
Q2:掃除が面倒になりませんか?
A:窓が2枚になるので拭く面は増えます。ただ、結露が軽減されると拭き取りのストレスが減るため、冬のトータル負担が軽くなる方が多いです。室内環境によっては結露が残る場合もあるので、換気や湿度管理とセットで考えるのが確実です。
Q3:夏は暑くなりませんか?
A:ガラスの選び方で変わります。遮熱タイプなど日射を抑える仕様を選ぶと、夏の日差し対策にもつながります。方角や周辺環境で最適解が変わるため、現地条件に合わせた提案が重要です。
この記事を書いた人
澤口 司 株式会社スイコー 代表取締役
一級建築士・宅地建物取引士・Affiliated Financial Planner。「建築」と「不動産」の両面から、資産価値を守る提案。複雑な相続問題も、プロの知見でシンプルに解決へと導きます。
