
実家を売る期限は「3年目の年末」
3000万円控除を逃して大損しないために
物語:1日で数百万円変わる
12月の夜。
仕事を終えて、リビングのカレンダーを見た瞬間に、ため息が出ます。
もう年末だ。
結局、今年も実家の片付けが進まなかった。
相続してから数年、鍵は持っているのに、郵便物の確認と草刈りだけで精一杯。
仙台の冬は早く暗くなるので、週末に行こうと思っても腰が重い。
そんな時に頭をよぎるのが、売るかどうかの話です。
でも、まだ決めきれない。
兄弟とも話がまとまらないし、解体の見積もりも取れていない。
春になったら動こう。
そうやって先送りにしてしまう方を、私は何人も見てきました。
問題は、片付くかどうかではありません。
税務署が決めた期限が、カレンダーに関係なく近づいていることです。
ある日、税理士さんから一言言われて青ざめるんです。
空き家の3000万円控除、今年の12月31日が締切ですね、と。
期限を1日でも越えたら、税金が数百万円変わることがあります。
家の中の段ボールより、まず期限を片付ける。
年末は、その現実を突きつけてきます。
特例をうまく使えば税金がゼロになることも
不動産を売って利益が出ると、譲渡所得に税金がかかります。
ざっくり言うと、所有期間が長い物件でも約20%前後です。
ところが、相続した空き家には、譲渡所得から最大3000万円を差し引ける特例があります。
うまく使えば税金がゼロになることも珍しくありません。
ただし、この特例には鮮度があります。
期限を過ぎた瞬間、ただの課税取引になります。
譲渡所得から最大3000万円控除
ここで言うのが、被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例です。
一定の要件を満たして売却すると、譲渡所得から最大3000万円(条件により2000万円)を控除できます。
ポイントはデッドラインです。
結論から言うと、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで。
これが、逃げ道のない締切です。
実務上は、原則として相続開始の日(多くは亡くなられた日)から数えて、3年目の年末が締切になります。
さらに制度自体の適用期間もあり、売却は令和9年12月31日までの枠内である必要があります。
そして、古い実家で特に多いのが旧耐震です。
原則として昭和56年5月31日以前に建築された家が対象で、耐震基準を満たすか、解体して更地渡しなどの要件が絡みます。
令和6年1月1日以後の譲渡では、売った後に買主が翌年2月15日までに耐震改修や取壊しを行う形も対象に入るなど、実務が少し前に進みました。
なお、親御さんが老人ホーム等に入所していたケースでも、一定要件を満たせば対象になり得ます。
ここは勘違いが多いので要注意です。
失敗例:年末の壁
私のところに相談に来られた方で、いちばん悔しいパターンがあります。
あと少し高く売りたい。
春になれば動く人が増えるから。
そう言って年を越してしまったケースです。
例えば、譲渡所得が2500万円出るとします。
特例が使えれば税金はゼロ近くまで落とせます。
ところが期限を越えると、約20%で500万円前後の税負担が現実になります。
売却価格を50万円上げるために粘った結果、税金で500万円持っていかれる。
これが、年末の壁の怖さです。
成功するためのポイント
1つ目。期限ギリギリで動かないことです。
夏から秋には動き始めてください。
売却は、思っているより工程が多いです。
測量、境界、残置物、解体、耐震、買主の住宅ローンなど、どれも遅れる原因になります。
2つ目。契約日ではなく、譲渡日を意識することです。
税務上、資産を譲渡した日は原則として引き渡した日です。
つまり、12月31日までに決済と引渡しまで終わっている状態が基本になります。
契約で安心して年を越すのは危険です。
年末は相談が増えやすい
仙台市内でも、冬場と年度末は解体の相談が増え、日程が取りにくくなりがちです。
更地渡しの条件があるなら、解体見積もりと工程確認を先に押さえる。
ここを外すと、期限に間に合いません。
雪や凍結で工程が読みにくい週もあります。
締切がある案件は、冬をまたがない段取りが安全です。
スイコー不動産だからできること
私は一級建築士として建物の状態と耐震の論点を整理し、宅地建物取引士として売却の進め方を設計し、AFPとして税負担の落とし穴を先回りして潰します。
解体見積もりの手配、売却査定、販売戦略、必要書類の段取り、確定申告時の税理士紹介まで、全部まとめて私がコーディネートします。
市区町村で発行される被相続人居住用家屋等確認書の段取りも、最初から逆算して進めます
まずは査定だけでも済ませる
来年の年末に慌てないために、今すぐ査定だけでも済ませておきましょう。
売るかどうかは、その後に決めれば十分です。
大事なのは、期限に間に合う選択肢を手元に残すことです。
当社サイトのご相談フォームから、住所とだいたいの状況を送ってください。
期限から逆算して、解体が必要か、耐震が必要か、いつまでに何をやるべきかを整理してご提案します。
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よくある質問
Q1. 建物がボロボロでも特例は使えますか?
A. 使える可能性はあります。ただし旧耐震の場合は耐震改修か解体など、要件の整理が先です。
Q2. 老人ホームに入っていた親の家も対象ですか?
A. 対象になり得ます。要介護認定などの条件や、空き家の管理状況など要件が細かいので、早めに確認します
Q3. 兄弟で共有している場合、控除額はどうなりますか?
A. 共有でも適用は狙えます。ただし相続人が3人以上の場合は控除上限が2000万円に下がる扱いがあるため、持分と人数を含めて事前に設計が必要です。
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