2026年4月施行の改正区分所有法で、今住んでいるマンションはどう変わる?

マンション外観と管理規約・総会議案書の資料を背景に、「区分所有法改正で管理規約はどう変わる?」と表示された記事サムネイル画像。
2026年4月施行の改正区分所有法により、マンションの管理規約や総会決議はどう変わるのか。築20年超のマンション居住者が総会前に確認したいポイントを解説。
澤口 司

澤口 司

こんにちは、株式会社スイコーの澤口です。

GW休暇はいかがだったでしょうか? かなり風が強かったですよね。私は、読書とAI学習に明け暮れておりました。欧米で日本の女流作家が高い評価になっているらしく、そのひとりが”湊かなえ”氏。読まず嫌い癖があるため、これまで手に取ることがなかったのですが、欧米で高い評価を受けているのにどんな小説を書いているのかを知らずにいるのはどうかと思い立って、映画化にもなったデビュー作『告白』を読みました。映画を見ていなくてよかったと思いました。言葉の表現に圧倒されたのです。すごく考えさせられる物語であり、読んでよかったと大満足です。

さて、今回はマンションを所有している方、これからマンションを購入する方には、絶対に把握しておいて頂きたい内容です。宅地建物取引士というよりも公認 不動産コンサルティングマスター&ファイナンシャルプランナーとしての観点から重要だと考えています。ぜひ、最後までご一読ください。

マンション居住者には重要な変化

50代が総会前に確認したい管理規約改正のポイント


50代マンション居住者の困惑

仙台市青葉区の築20年を少し過ぎたマンションに住んでいる50代のAさんのもとに、管理組合から一通の通知が届きました。

 

封筒には「区分所有法改正に伴う管理規約等の変更について」と書かれています。中を開くと、総会で管理規約の改正案を決議する予定だという案内。議案書には、総会の決議要件、共用部分の変更、修繕積立金の使途、所在不明区分所有者への対応など、見慣れない言葉が並んでいました。

 

「法律が変わったから規約を直す必要がある」ということは分かります。しかし、自分の暮らしに何が関係するのかまでは、すぐには分かりません。

 

管理会社に任せておけば大丈夫なのか。理事会が作った案なら賛成してよいのか。反対した場合、マンション全体に迷惑をかけるのか。そもそも他の所有者は、この内容を本当に理解しているのか。

 

Aさんは、ふと不安になりました。

 

 

このマンションは、子どもが独立するまで家族で暮らしてきた大切な住まいです。これから先、老後も住み続けるか、いつか売却して住み替えるかはまだ決めていません。だからこそ、総会で決まる内容が、将来の修繕費、住み心地、資産価値にどう影響するのかを知っておきたいと感じたのです。


「法改正だから仕方ない」で済ませてよいのでしょうか

2026年4月に施行された改正区分所有法は、マンションに住む人にとって無関係な法律ではありません。法務省は、令和6年(2024年)5月に成立された改正法について、区分所有法および被災区分所有法の改正部分は令和8年、つまり2026年4月1日から施行されると説明しています。

 

今回の改正は、簡単にいえば「老朽化するマンションを、放置せず、必要な管理・修繕・再生を進めやすくするための見直し」です。

 

メリットは、合意形成が進みやすくなること。

 

デメリットは、内容をよく理解しないまま委任状や議決権行使書を出すと、将来の負担や住み方に関わる重要な変更が決まってしまう可能性があることです。

 

 

特に50代の方は、住宅ローンの完済時期、退職後の住まい方、将来の売却、相続、修繕積立金の増額などが現実的なテーマになり始める年代です。
「今すぐ困っていないから大丈夫」ではなく、「10年後、20年後の自分に影響するかもしれない」と考えて、総会資料を確認することが大切です。


なぜ、いま区分所有法が改正されたのか

 背景にあるのは、マンションの「建物の高齢化」と「居住者の高齢化」です。国土交通省の資料では、マンションは国民の1割以上が居住する重要な居住形態であり、築40年以上のマンションは全体の約2割、今後10年で2倍、20年で3.4倍になる見込みとされています。さらに、その住戸のうち世帯主が70歳以上のものは5割以上とされています。

 

つまり、全国的に次のような問題が起きやすくなっています。

  • 管理組合の役員のなり手がいない。
  • 総会に参加する人が少ない。
  • 所有者が遠方に住んでいて連絡が取りにくい。
  • 修繕積立金が足りない。
  • 大規模修繕、耐震化、給排水管更新、エレベーター更新などの合意形成が進まない。

これまでのルールでは、重要な決議ほど「全区分所有者」を基準にした高い賛成割合が必要でした。そのため、反対しているわけではなくても、欠席者や無関心な所有者が多いだけで、必要な修繕や規約変更が進まないことがありました。

 

改正後は、特別決議についても総会出席者による多数決を可能とする見直し、総会定足数の見直し、バリアフリー化など一定の共用部分変更の決議要件緩和、建替え・更新・売却・取壊しといったマンション再生手法の整備が行われています。

国土交通省も、令和7年の標準管理規約改正について、総会の開催手続きや決議要件など管理組合運営上重要な内容が含まれており、各マンションの管理規約も見直しが必要になると案内しています。


「よく分からないけれど賛成」が一番危ない

今回の改正で注意したいのは、規約改正そのものが悪いということではありません。むしろ、法改正に合わせて古い管理規約を見直すことは必要です。

問題は、内容を理解しないまま総会を通してしまうことです。

 

たとえば、総会の特別決議については、従来の「組合員総数及び議決権総数の各4分の3以上」から、「総会に出席した組合員及びその議決権の各4分の3以上」へ変更され、出席者を基準にした多数決へ変わっています。

これは、必要な決議を進めやすくする点ではメリットです。
一方で、総会に参加する人が少ないマンションでは、実際に関心を持って参加した人たちの判断で、重要な変更が決まりやすくなるともいえます。

 

また、共用部分の変更についても、バリアフリー化や安全性に関わる一定の場合には多数決要件が緩和されます。高齢化が進むマンションでは、エントランスの段差解消、手すり設置、エレベーター関連工事などを進めやすくなる可能性があります。

しかし、工事には費用がかかります。

その費用を修繕積立金でまかなうのか、一時金を徴収するのか、借入をするのかによって、区分所有者の負担は変わります。

 

さらに、今回の改正では、建物敷地売却、一棟リノベーション、建物取壊しなど、新たなマンション再生手法も整備されています。

築20年ちょっとのマンションでは、すぐに建替えや取壊しの話になる可能性は高くないでしょう。
しかし、管理規約の改正は、将来の大規模修繕や再生方針を話し合うための土台になります。

 

「今の自分には関係ない」と思っていると、10年後に給排水管更新、機械式駐車場の更新、エレベーター改修、外壁補修、修繕積立金の増額といった現実的な課題に直面したとき、選択肢が限られてしまうかもしれません。


総会前に見るべきは「法律用語」ではなく「自分への影響」

総会資料を読むときは、条文の言い回しをすべて理解しようとする必要はありません。大切なのは、次の視点で確認することです。

まず、「法改正に合わせた形式的な変更」と「そのマンション独自の判断で加えた変更」を分けて見ることです。
すべてを「法律が変わったから」でまとめてしまうと、本当は管理組合ごとに判断すべき内容まで見落としてしまいます。

 

次に、決議要件を確認します。
どの議案が普通決議なのか、特別決議なのか。出席者数、議決権数、委任状、議決権行使書の扱いはどうなるのか。ここが曖昧なままでは、後から「そんなつもりではなかった」という不満につながります。

そして、費用への影響です。
修繕積立金の使途が広がる場合、将来の大規模修繕に必要なお金が不足しないか。長期修繕計画は見直されているか。築20年を超えたマンションでは、2回目の大規模修繕や設備更新の時期が見えてきます。規約だけでなく、長期修繕計画と修繕積立金の残高を一緒に確認することが重要です。

 

 

さらに、「住み続ける人」と「売却する可能性がある人」の両方の視点を持つことです。
管理が適正なマンションは、住みやすさだけでなく、将来の売却時にも評価されやすくなります。逆に、管理規約が古いまま、修繕計画が不十分、総会議事録が整理されていないマンションは、買主から不安視されることがあります。


青葉区の築20年超マンションは「管理の見える化」が資産価値に関わる

仙台市では、マンション管理計画認定制度が運用されています。これは、マンションの管理計画が一定の基準を満たす場合に、適正な管理計画を持つマンションとして仙台市から認定を受けられる制度です。仙台市は令和4年9月にマンション管理適正化推進計画を策定し、同年10月から制度を運用しています。

 

認定を受ける効果として、仙台市は、管理水準の維持向上や、将来にわたり長く使うことができるマンションとして客観的に評価され、資産としての価値を守ることが期待されると説明しています。

青葉区のマンションは、中心部へのアクセス、地下鉄・バス利用、病院・商業施設・学校への近さなど、立地面で評価されやすい物件が多くあります。

 

一方で、築20年を超えると、立地の良さだけではなく、管理状態の差が価格差に表れやすくなります。

特に確認したいのは、外壁・屋上防水・給排水管・エレベーター・機械式駐車場・防災設備です。仙台は地震を経験してきた地域でもあり、建物の耐震性、修繕履歴、防災対応、共用部分の維持管理は、購入希望者にとっても重要な確認事項になります。

 

仙台市は令和7年11月にマンション管理適正化推進計画を改定しており、今後の高経年マンション増加に伴う課題に対応する姿勢を示しています。

 

つまり、仙台でも「マンションは買って終わり」ではなく、「管理の質をどう保つか」がますます重要になっているのです。


スイコー不動産だからできること

建築士×施工×不動産のワンストップで、規約改正を「暮らし」と「資産価値」から読み解く

 

管理規約の改正案は、法律の専門家だけで見るものではありません。
実際には、建物の状態、修繕計画、工事費、住み続ける人の負担、将来売却する場合の市場評価までつながっています。

スイコー不動産では、建築士の視点、施工の視点、不動産売買の視点を組み合わせて、マンション所有者の判断をサポートできます。

 

建築士の視点では、築20年を超えたマンションで今後どのような劣化や設備更新が想定されるかを確認できます。
施工の視点では、議案に出ている修繕や改修が現実的な内容なのか、費用感に無理がないかを見ます。

 

不動産の視点では、その管理規約改正や修繕計画が、将来の売却価格や買主の安心感にどう影響するかを考えます。

 

管理会社や理事会を疑うためではありません。


大切なのは、所有者自身が納得して判断できる状態をつくることです。


総会の前に、通知・議案書を一緒に確認しませんか

「管理規約改正の通知が届いたけれど、何を見ればよいか分からない」
「総会で賛成してよいのか判断できない」
「修繕積立金や長期修繕計画への影響が心配」
「将来、売却する可能性もあるので資産価値への影響を知りたい」

 

このような方は、総会の前に一度ご相談ください。

 

通知書、議案書、現行の管理規約、長期修繕計画、修繕積立金の資料があれば、より具体的に確認できます。

仙台市青葉区のマンションに長く住み続けるためにも、将来の住み替えや売却に備えるためにも、管理規約の改正は「他人事」ではありません。

 

分からないまま委任状を出す前に、自分の住まいと資産を守るための確認をしておきましょう。

 

スイコー不動産では、建築士・施工・不動産の視点から、マンション所有者の不安を整理し、総会前の判断材料づくりをお手伝いします。

こちらから申し込みしてください。

お好みの方法でご相談ください。

📞 0120-81-1415

受付時間:10:00~12:00、13:00~17:30(定休日:日曜日)


よくある質問(Q&A)

Q1. 区分所有法が改正されると、今住んでいるマンションの管理規約も必ず変えなければならないのですか?

必ずすべてを変えなければならない、というわけではありません。ただし、2026年4月に施行された改正区分所有法により、総会の決議要件や管理組合運営に関わる部分で、これまでの管理規約と法律の内容が合わなくなる場合があります。そのため、多くのマンションでは、管理規約を見直す必要が出てきます。

大切なのは、「法律が変わったから全部そのまま賛成する」のではなく、どの部分が法改正への対応で、どの部分がそのマンション独自の変更なのかを分けて確認することです。

Q2. 総会で賛成してよいか分からない場合、どうすればよいですか?

まず、議案書の中で「何を変えるのか」「なぜ変えるのか」「自分たちの負担や暮らしにどう影響するのか」を確認しましょう。特に、決議要件、修繕積立金の使い方、共用部分の工事、長期修繕計画に関わる内容は重要です。

内容が分からないまま委任状を出すと、自分では十分に理解しないまま重要な決定に賛成した形になることがあります。不明点がある場合は、総会前に管理会社、理事会、または第三者の専門家に確認することをおすすめします。

Q3. 改正区分所有法によって、マンション管理にはどんなメリットがありますか?

大きなメリットは、必要な修繕や管理上の決定を進めやすくなることです。これまでは、欠席者や連絡の取れない所有者が多いと、反対が多いわけではなくても重要な議案が成立しにくいことがありました。

改正後は、総会に出席した区分所有者や議決権を基準に判断できる場面が広がり、老朽化対策、バリアフリー化、防災対策、共用部分の改修などを進めやすくなる可能性があります。築20年を超えたマンションでは、将来の大規模修繕に備えやすくなる点もメリットです。

Q4. 逆に、デメリットや注意点はありますか?

注意したいのは、総会に参加する人が少ないマンションでは、関心を持って出席した一部の人たちの判断で重要な内容が決まりやすくなることです。これは、管理を前に進めるうえではメリットですが、無関心な所有者にとっては「知らないうちに決まっていた」と感じるリスクにもなります。

特に、修繕積立金の増額、一時金の徴収、共用部分の大きな工事、将来の建替えや売却につながる方針は、自分の家計や資産価値にも関係します。総会資料は必ず確認し、分からない点をそのままにしないことが大切です。

Q5. 築20年ちょっとのマンションでも、今回の法改正は関係ありますか?

関係あります。築20年ちょっとのマンションは、建替えや取壊しがすぐに現実化する時期ではないかもしれません。しかし、2回目の大規模修繕、給排水管の更新、屋上防水、外壁補修、エレベーターや機械式駐車場の更新など、今後の大きな修繕課題が見え始める時期です。

そのため、管理規約の見直しは、単なる書類上の変更ではなく、これから10年、20年のマンション管理をどう進めるかを考えるきっかけになります。

Q6. 管理規約の改正案で、特に確認すべきところはどこですか?

特に確認したいのは、総会の決議要件、委任状や議決権行使書の扱い、共用部分の変更に関するルール、修繕積立金の使途、長期修繕計画との整合性です。

また、「標準管理規約に合わせた変更」と説明されていても、実際にはマンションごとに判断が必要な内容が含まれている場合があります。変更前と変更後の条文を見比べ、どの部分が生活や費用負担に関係するのかを確認しましょう。

Q7. 修繕積立金が上がる可能性はありますか?

法改正そのものによって、すぐに修繕積立金が上がるわけではありません。ただし、管理規約の見直しや長期修繕計画の再確認をきっかけに、将来の修繕費不足が明らかになることはあります。

築20年を超えるマンションでは、今後の設備更新費用が大きくなることがあります。修繕積立金の増額案が出た場合は、「なぜ必要なのか」「いつ、何の工事に使うのか」「現在の積立金残高で足りるのか」を確認することが大切です。

Q8. 仙台市青葉区のマンションでは、どんな点に注意すべきですか?

仙台市青葉区のマンションは、交通利便性や生活環境の良さから需要が見込まれる一方で、築年数が進むほど管理状態の差が資産価値に影響しやすくなります。

特に、地震への備え、外壁や屋上防水の修繕履歴、給排水管の更新計画、エレベーターや機械式駐車場の維持管理、防災設備の点検状況は重要です。立地が良くても、管理が不十分なマンションは、将来の売却時に買主から不安視されることがあります。

Q9. 将来売却するかもしれない場合、管理規約の改正は関係ありますか?

関係あります。中古マンションを購入する人は、室内のきれいさだけでなく、管理規約、修繕積立金、長期修繕計画、総会議事録、修繕履歴なども確認します。

管理規約が古いまま放置されていたり、修繕計画が不十分だったりすると、買主が不安を感じることがあります。反対に、法改正に合わせて適切に管理規約を見直し、計画的に修繕を進めているマンションは、将来の売却時にも安心材料になります。

Q10. 自分だけ内容を理解できていないようで不安です。相談してもよいのでしょうか?

もちろん相談して大丈夫です。管理規約や区分所有法の内容は専門的で、通知や議案書を一度読んだだけですべて理解するのは簡単ではありません。分からないと感じるのは自然なことです。

むしろ、不明点をそのままにして委任状を出すよりも、総会前に内容を確認することが大切です。スイコー不動産では、建築士・施工・不動産の視点から、管理規約改正案、長期修繕計画、修繕積立金、将来の売却への影響を整理し、判断材料づくりをお手伝いします。

澤口 司

この記事を書いた人

澤口 司 株式会社スイコー 代表取締役

一級建築士・宅地建物取引士・Affiliated Financial Planner。「建築」と「不動産」の両面から、資産価値を守る提案。複雑な相続問題も、プロの知見でシンプルに解決へと導きます。


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