戸建住宅の耐震性能は十分?

筋交いが・・・耐震性が低くてもなかなか耐震改修をしない現状
2000年5月以前に新築された木造戸建住宅には、耐震性能が低い住宅が少なくありません

こんにちは! 仙台市の不動産エージェント

仙台不動産情報ライブラリー

を運営しているスイコーの澤口

(一級建築士、宅地建物取引士、Affiliated Financial Planner)

です。

 

今回のテーマは

戸建住宅の耐震性能は十分?

不安はあるのに「耐震リフォームが進まない」本当の理由

東日本大震災から14年。

仙台では再開発が進み、住まい環境は大きく変わりました。

しかしその一方で、戸建住宅の“見えない不安”である「耐震性」については、意外にも理解や対策が進んでいない現状があります。

 

「うちも築30年以上だけど、まあ大丈夫だろう」

「震災の時に倒れなかったから、耐震性はあるはず」

 

このような声は、仙台に限らず全国的によく聞かれます。

しかし国・県・市の調査を見ると、安心できる状況とは言えません

本記事では、最新データをもとに 「なぜ戸建住宅の耐震化が進まないのか」「仙台ではどのような状況なのか」 を分かりやすく解説します。


1. 耐震化の数字は上がっているのに「中身」が伴っていない

国の発表では、令和5年時点の住宅全体の耐震化率は約90%とされています。

一見すると「ほとんど耐震化されているのでは?」と思いがちです。

 

しかし内訳を見ると、

●耐震性が不十分な住宅は全国で 約570万戸

内訳の約8割は 木造の戸建住宅。

●2019年以降に耐震改修(補強)を実施した戸建はわずか 2.3%

 

つまり、

「建物の築年数や新耐震基準への変更だけで“耐震化”とみなされているケースが多い」

ということです。

実際、多くの持ち家は今も「震度6強~7の直下型地震に耐えられるかどうか不明」なまま放置されています。


2. 宮城県・仙台市の現状:数字の見た目より、実態は甘くない

宮城県の推計では、

・耐震性が不十分な住宅:約74,500戸

・仙台市は県内で耐震化率が最も高い水準(約95%)

とされていますが、

これは築年数・建築確認情報から“形式的に”耐震化されていると扱われた建物が多いという側面もあります。

 

そして重要なのはここです。

【重要】平成16年度から令和6年度までに

耐震診断件数が6,704戸に対して

耐震改修工事補助件数が2,474戸しかない

(出典:令和7年度 仙台市住宅耐震化緊急促進アクションプログラム資料より)

 

つまり、多くの所有者は

「危ないのは分かった。でも工事はしない」

という結論に至っています。


3. なぜ、耐震化が進まないのか?

所有者が動けない“6つの理由”

最新の統計と行動心理を整理すると、耐震化が進まない理由は明確です。

① 費用が高く、効果が見えにくい

キッチンやお風呂のリフォームと違い、

耐震補強は「見た目も生活もほぼ変わらない」ため、

満足感が想像しにくいという欠点があります。

② 自宅の危険度が分からない

・2000年基準耐震/新耐震/旧耐震の違い

・壁量計算、耐震評点(1.0以上で安全)

 

といった基準が一般人には分かりにくい。

結果、判断できずに先延ばしになります。

③ 手続きが煩雑で、大掛かりな工事に見える

耐震診断 → 補助金 → 設計 → 工事

の流れは、高齢者世帯にはハードルが高いのが実情です。

④ 「震災で倒れなかったから大丈夫」という正常性バイアス

東日本大震災を“生き延びた住宅”は多いですが、

構造専門家は一貫してこう警告しています。

 

「前回持ちこたえた建物ほど、次の地震で倒れやすい」

特に能登半島地震では、“繰り返しの揺れ”が弱点であることが明確になりました。

⑤ 高齢化による“残り年数”との葛藤

「あと10~15年住めればいい」

「子どもはこの家を継がない」

 

という心理が、耐震投資を妨げています。

⑥ 空き家・相続予定物件への消極性

空き家や実家は

・「いずれ売るかもしれない」

・「相続してから考えればいい」

という意識になり、耐震改修は後回しにされます。


4. 耐震性と「住み替え」「実家じまい」は密接に関係している

仙台市では、

実家じまい・空き家の増加・高齢化 が同時進行で進んでいます。

 

この中で、耐震性能は

・売却価格

・売却スピード

・賃貸として貸し出す際の安全基準

・将来の相続トラブル(安全性の瑕疵)

に直結します。

 

つまり、

「耐震性能を把握していない」こと自体が、将来の損失リスクになります。


5. 仙台で戸建住宅が“特に注意すべきポイント”

仙台は全国的に見ても特殊な地域です。

 

●地盤の多様性(台地・低地・造成地が混在)

●活断層帯(長町‐利府線断層帯)

●震災時の液状化エリアが一部存在

●1980年代に大量供給された旧耐震・新耐震の戸建が多い

●郊外団地の高齢化が急進行

 

築30年以上の木造住宅は、

たとえ外見がきれいでも、耐震性能が不明なケースが非常に多いのが仙台ローカルの特徴です。


6. では、何から始めればよいのか?

「耐震リフォームは高額」というイメージがありますが、

実際には3つのステップで整理すると判断しやすくなります。

 

STEP1:まず「耐震診断」で現状を把握

仙台市・宮城県には診断の補助金があります。

診断だけなら数万円程度で実施可能です(ただし対象が限定的:補助利用で自己負担軽減)。

「評点0.7以下」は倒壊リスクが高いとされています。

 

STEP2:改修案と概算を比較

・屋根の軽量化

・壁量の増加

・金物補強

・基礎補強

部分改修なら 60~150万円台で済むケースもあります。

 

STEP3:売却・住み替え・相続とセットで考える

耐震性が確認できる住宅は、

・査定価格が下がりにくい

・買い手がつきやすい

・相続人の不安が小さくなる

といった明確なメリットがあります。


7. まとめ:不安は「行動」しない限り、なくならない

耐震化が進まない最大の理由は、

「危険性は感じつつも、判断材料が足りない」

という点にあります。

 

だからこそ、

最初の一歩である「現状を知る」ことが重要です。

 

仙台市には、旧耐震・新耐震の木造住宅がまだ多数残っています。

実家じまい・住み替え・相続を考えるタイミングは、

耐震診断を行う絶好の機会でもあります。

【無料相談】

「うちの家、地震に耐えられるの?」を確認したい方へ

スイコー(仙台不動産情報ライブラリー)では、

耐震診断・補助金・住み替え・相続までをワンストップで相談できます。

 

・診断の流れ

・費用と補助金

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・売却・住み替えとの最適な組み立て

など、状況に合わせて整理いたします。

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