実家を遠くから見守る限界 ―「管理不全空き家」という新たなリスク

仙台の実家が管理不全空き家?
仙台に戻ってくる予定がない横浜在住のSさん、実家が管理不全空き家になるのか不安に

こんにちは! 仙台市の不動産エージェント

仙台不動産情報ライブラリー

を運営しているスイコーの澤口

(一級建築士、宅地建物取引士、Affiliated Financial Planner)

です。

 

今回のテーマは

実家を遠くから見守る限界 ―「管理不全空き家」という新たなリスク

物語:横浜在住のSさんの仙台の実家じまいの選択

横浜市に暮らすSさん(68歳)には、仙台市内に実家があります。

母親が他界してから、もうすぐ10年。

以来、誰も住むことのない空き家となり、時の流れとともに庭の木々も大きくなっていきました。

 

Sさん自身は定年を迎え、夫婦ふたりで穏やかな日々を送っています。

仙台に戻る機会は年に一度あるかないか。

実家のことが気にならないわけではないのですが、横浜から仙台まではそう簡単に行けません。

幸い、仙台市内に住む従姉妹がいて、月に一度は様子を見に行き、窓を開けて換気をしてくれます。

年に一度は地元の業者に依頼して、庭木の剪定や除草もお願いしてきました。

最低限の管理はできているつもりでした。

 

「うちの実家は、ニュースで見るような“特定空き家”なんかとは違う。」

そう思っていたSさんですが、最近ふとしたきっかけで心がざわつきました。

ある日、テレビで「管理不全空き家」という新しい制度ができたというニュースを耳にしたのです。

特定空き家のように倒壊寸前ではなくても、

「放っておくと危険になるおそれがある」と判断されると行政から指導を受ける――。

そんな説明を聞いて、Sさんは思わず手を止めました。

 

「うちは大丈夫なんだろうか?」

屋根も外壁も、遠目には問題なさそうだが、

十年近くも人の出入りがない家は、思いのほか傷みが早いものです。

従姉妹から「最近、裏の木が電線にかかりそうだから剪定した方がいいかも」と聞いたばかりでした。

草木の管理だけでも数万円。

それに固定資産税も含めると、毎年の負担は年金生活者にとって軽くはありません。

 

「どうせ子どもたちも興味を示さないしな……」

息子は二人。ともに転勤族で、仙台に戻って住む予定はないと断言しています。

Sさんは、いつか二人のどちらかが仙台に赴任した時に住めばいいと考えていましたが、

そんな機会は一度も訪れませんでした。

 

10年前までは「親の思い出がある家だから」と手放す気にはなれませんでした。

しかし、歳を重ねるごとに、管理の手間も負担もじわじわと心にのしかかってきます。

「管理不全空き家」として行政から指導される前に、

きちんと向き合うべき時が来たのかもしれない――。

 

最近は、「実家じまい」という言葉がやけに身近に感じられるようになりました。

思い出を整理しながら、残りの人生をどう過ごすかを考える。

その選択が、Sさんにとっても、息子たちにとっても後悔のない道になる気がしています。


「管理不全空き家」とは ― 放置すれば“特定空き家”になる前段階

2023年12月に改正された「空家等対策特別措置法」により、新たに「管理不全空家」という区分が設けられました。

これは、現時点で倒壊の危険などはないものの、放置すれば特定空き家になるおそれがある状態を指します。

仙台市では、外壁や屋根の破損、庭木や雑草の繁茂、害虫の発生、ゴミの放置などが目立つと、

「管理不全空き家」として指導や勧告の対象になる場合があります。

勧告を受けると翌年度から住宅用地特例(固定資産税6分の1軽減)が外れ、税金負担が数倍に増えることもあります。


管理不全空き家に認定されないために ― 仙台市が推奨する3つの対策

1.定期的な点検と記録

 換気や通風、破損・雨漏りの有無を定期的に確認し、写真で残しておく。

2.外観管理の徹底

 雑草や枝木の剪定、ごみの撤去、塀の補修など、近隣への見た目の配慮を。

3.将来を見据えた「実家じまい」検討

 維持が難しい場合は、売却・解体・利活用・相続登記などを早期に整理。

 

仙台市の「空家等対策計画」でも、相続や登記未了が管理不全の原因になるケースが多いと指摘されています。

「まだ大丈夫」と思っているうちに、行政からの指導対象になる前に――

まずは現状を正確に把握し、今後の方針を考えることが大切です。


仙台の空き家管理・実家じまいは専門家へご相談を

スイコー不動産では、

・管理不全認定を避けるための現状チェック

・相続登記・解体・売却・利活用までの一貫サポート

・仙台市補助制度の最新情報提供

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