
古い家が残ったままでも売れる?仙台・若林区で進む“現況売却”という選択肢
物語:三兄弟が選んだ「現況売却」という決断
仙台市内に住むAさん(62歳)は、若林区にある祖父の家を三兄弟で相続しました。築60年を超える木造住宅。子どものころ遊びに行った思い出の家ですが、今では誰も住んでおらず、年に一度の法事のときに立ち寄る程度です。
長男は東京、次男は関西に生活の拠点を置き、Aさんだけが仙台在住。相続後は3分の1ずつの共有名義になったままでした。
ある日、長男から「このままだと次の代で相続問題になるかもしれない」との電話。Aさんも確かにその通りだと思いました。解体して更地にすれば売りやすいのはわかっていても、見積もりを取ると解体費が200万円を超えるとのこと。兄弟それぞれに子どもの教育費や老後資金の不安があり、今すぐその費用を出すのは難しい状況でした。
そんなとき、Aさんが見つけたのが「古家付き土地として現況で売る方法」。
「更地にしなくても買ってくれる人がいるのか?」と半信半疑ながらも、仙台市内の不動産業者に相談してみることにしました。
地下鉄東西線が開通してから街並みが整い、買い物にも通勤にも便利になった若林区。
「もしかしたら、この立地なら古家付きでも買いたい人がいるかもしれない」――Aさんたち兄弟はそう考え、現況売却という道を選ぶ決意を固めました。
古家付きのままでも売れる「現況売却」とは?
“現況売却”とは、建物を解体せずに、現在の状態のまま(現況有姿)で土地と建物を一緒に売る方法です。
解体費を負担せずに済むため、初期コストを抑えて早期売却ができるのが最大のメリットです。
仙台市内でも、築40年以上の住宅が残る地域では、近年この方法を選ぶケースが増えています。
特に若林区や宮城野区の旧市街地エリアでは、
・地下鉄東西線や南北線で利便性が向上している
・再開発や分譲マンション建設が進んでいる
こうした背景から「立地優先で古家付きでも購入したい」という実需層・不動産再生業者のニーズがあります。
現況売却の注意点とリスク
ただし、「現況有姿だから何があっても免責」というわけではありません。
売主が**知っていたにもかかわらず告げなかった欠陥(雨漏り、地中埋設物、越境など)**は、
民法の「契約不適合責任」に問われることがあります。
そのため、現況売却を選ぶ場合には次の3つのステップが重要です。
1.物件状況の把握:シロアリ・雨漏り・境界・ライフラインなどを整理
2.告知書の作成:不動産業者とともに、知っている不具合を正確に開示
3.特約の設計:どこまで責任を負うかを明文化してリスクを限定
また、古い家にはアスベスト含有の可能性もあります。事前調査が必要な場合は、
専門業者の簡易調査を受けておくと安心です。
現況売却の実例と仙台ローカルの事情
仙台では、**更地化のコスト(解体+処分費)よりも「立地の希少性」**が評価されるケースがあります。
若林区や青葉区の一部では、古家付きでも買主が建替え目的で取得し、
その後自ら解体することが一般的になりつつあります。
また、仙台市の空き家相談窓口では、解体が難しい場合の相談も受け付けており、
税制面では「相続空き家の3,000万円特別控除」の対象になる可能性もあります。
(※要件:耐震基準不適合・相続から3年以内の売却など)
まとめ:解体しなくても、売れる方法はある
Aさんたち兄弟のように、「更地にする余力がない」「遠方の相続人がいて調整が大変」という場合、
現況売却は非常に有効な選択肢です。
ただし、トラブル防止のためには、事前調査・情報開示・特約設計を丁寧に行うことが大前提です。
まずは専門家に相談を
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