仙台の家が寒いと言われる理由
よくご相談いただく 「仙台の家はどうして寒いのか」 というテーマについて、住宅の断熱性能の観点から解説します。
仙台の住宅はなぜ寒く感じるのか
令和2年の冬は暖冬で、水道凍結のトラブルはほとんどありませんでした。しかし、暖房が欠かせない季節であることに変わりはありません。
北海道で暮らした経験のある方からは、 「北海道の家は冬でもTシャツで過ごせるのに、仙台の家は寒すぎる」 といった声をよく耳にします。
これは、仙台の家が特別に寒いわけではなく、寒さに対応した十分な断熱性能を備えていない住宅が多いことが主な原因です。
日本の「断熱等性能等級」とは
住宅の断熱性能は、「住宅性能表示制度」によって 断熱等性能等級 として評価されます。
この等級は、外壁や窓などの外皮の断熱性能、夏の日射遮蔽、結露対策などを総合的に評価するものです。
● 評価のポイント
外皮平均熱貫流率(UA値)
→ 数値が小さいほど断熱性能が高い
冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)
→ 数値が小さいほど夏の日射熱を取り込みにくい
● 各等級の基準
等級1:基準なし
等級2(昭和55年基準)
→ 旧省エネ基準。最低限の断熱対策
等級3(平成4年基準)
→ 新省エネ基準。一定レベルの断熱性能
等級4(平成28年基準)
→ 現行の省エネ基準。大幅な熱損失削減
※このほか、平成11年基準(次世代省エネ基準) も存在します
この図は、平成12年4月1日に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき、同年10月に運用開始された住宅性能表示制度による断熱等性能等級を図解したものです。
日本の住宅は「断熱が弱い」まま建てられてきた
(一般社団法人住宅性能評価・表示協会「長期優良住宅認定制度の技術基準の概要について」より引用)
日本には省エネ基準が存在しますが、実は 戸建住宅では長らく義務化されていませんでした。
(※義務化は2025年4月から)
そのため、建築主の努力義務にとどまり、実際には施工会社の判断に任されてきたのが現状です。
● その結果どうなったか
日本には約5,000万戸の住宅がありますが、
省エネ基準を満たさない「無断熱住宅」が約3分の1 を占めています。
昭和55年基準の住宅も36%あり、寒い家が多い背景となっています。
等級4でも「世界基準では低い」
現在の日本の最高等級である 断熱等性能等級4 でさえ、欧米の先進国と比べると決して高い水準ではありません。 各国で基準の考え方が異なるため単純比較はできませんが、日本の住宅は総じて断熱性能が低いと言えます。
そのため、暖房や冷房に頼らざるを得ず、光熱費が高くなる傾向があります。
家を買うときは「性能の確認」が必須
新築でも中古でも、住宅を購入する際には 「その家がどの断熱レベルで建てられているか」 を確認することが非常に重要です。
断熱性能は、住み心地・健康・光熱費に直結するため、価格や間取りと同じくらい重視すべきポイントです。
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