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現場の裏話から考える住まいづくり 仙台不動産情報ライブラリーcolumn615

こんにちは! 仙台市の不動産エージェント

仙台不動産情報ライブラリー

を運営しています

スイコーの澤口です。

 

 

本日は

これから新築住宅を購入するお客様向け

 

現場の裏話から考える住まいづくり

 

というタイトルで

情報配信をしたいと思います。


下積み体験で学んだ住まいづくり


社会人1年目、

 

入社した当日から

 

現場に入るようになり、

 

建築用語、そして職人用語に加えて

 

覚えていったのが仙台弁です。

 

 

例えば、運転をしていての

 

次のようなエピソードがあります。

 

 

新人は、現場への行き帰りに運転手

 

をしなければなりません。

 

 

当時はナビがありません。

 

 

初めての現場にはゼンリンの地図を

 

頼りに運転していきます。

 

 

運転中突然、

 

隣でタバコをふかしている

 

親方から

 

「そこっむずれ」

 

と言われ

 

何のことか分からなくて

 

考えているうちに

 

「そこむずれっていったべ」

 

と怒られ

 

「はぁ?」

 

と反応したら

 

さらに怒られる始末。

 

 

”むずれ”とは

 

曲がれという言葉だったのです。

 

 

このようなやり取りが

 

日常茶飯事であり

 

あまりにもわからない言葉が

 

多すぎて

 

自分は本当に仙台で育ったのだろうか?

 

と思ったほどです。

 

 

仙台に長年住んでいながら

 

仙台弁が分からな過ぎて

 

まるで違う地域に移り住んだような

 

感覚になっていました。

 

 

新築現場では、

 

午前10時から約30分

 

午後3時から約30分

 

の休憩時間があります。

 

 

この時間は、

 

職人さん同士のコミュニケーション

 

時間です。

 

 

工事の進捗や納まりについての

 

打合せや、情報交換が行われ、

 

実務的な話題がなくなると

 

様々な話に変わっていきます。

 

 

そんなときに

 

何度も耳にした仙台弁が

 

”ずらもん”

 

です。

 

 

1件の戸建住宅を完成するまでには、

 

大工、左官の他に数多くの業種の

 

職人が携わります。

 

 

延べ数十人の職人になります。

 

 

同じハウスメーカーの現場

(当時は下請け業者だったため)

 

では、協力工事店として同じ職人さん

 

と何度も顔を合わせます。

 

 

最も長く現場にいるのが

 

大工さんであり、職人の中で

 

中心的なポジションです。

 

 

その大工さん達がよく

 

「あいづはずらもんだ」

 

みたいな言葉を発するのです。

 

”ずらもん”という言葉の意味が

 

分からなかったのですが、

 

やがてその意味が何となく

 

分かるようになっていきました。

 

 

分からない言葉があれば

 

直接質問すればいいと思われる

 

かもしれませんが、

 

当時は、下手な質問をしたら

 

怒られてしまうために

 

休憩中と言えども

 

話を振られない限り

 

言葉を発することをせず、

 

聞くに徹することが処世術でした。

 

 

生意気だと思われると

 

確実に嫌がらせしてくる

 

職人がいたからです。

 

 

そのような背景があったので

 

話を聞き、観察していくことで

 

言葉の意味を理解していく

 

傾向にありました。

 

 

そしてその”ずらもん”

 

言われる人が

 

けっこう出てくる出てくる。

 

 

業者そのものを指して

 

「あそこはずらもんしかいね」

 

みたいな場合もありました。

 

 

その”ずらもん”と呼ばれる

 

職人が数多く入る現場は、

 

出来が悪いのです。

 

 

出来が悪いと言っても

 

そのほとんどが、

 

現場検査をクリアするので

 

住宅商品として欠陥という事では

 

ありません。

 

 

現場検査をクリアしない場合には、

 

すぐに是正処置が実施されるので

 

住宅商品として問題もありません。

 

 

まぁ住宅業界、建築業界、建設業界

 

では昔から一般的現象でもあり、

 

これはどの業界にも共通する話で

 

あるかもしれません。

 

 

住宅業界の現場においては、

 

住まいづくりに対する姿勢

 

住まいづくりの担い手としての

 

あり方の違いです。

 

 

それは

 

お金を稼ぐためだけに働く職人と

 

施主に喜んでもらおうと働く職人

 

との違いとも言えます。

 

 

当時から30年以上過ぎていますが、

 

住宅業界が大きく様変わりし、

 

地元の工務店が淘汰されていき

 

ました。

 

 

専門工事店も若い人を職人として

 

一人前に育てることが難しくも

 

なっています。

 

 

下積みを経て育っている職人が

 

少なくなったことで躾が充分で

 

はないとも言えます。

 

 

それが原因・要因とは

 

断定できませんが、

 

”ずらもん”ではない

 

職人を探すのが大変難しい

 

時代になっています。

 

 

これから新築やリフォームを

 

行う予定の場合には、

 

業者選定の際に

 

どのような職人さんがいるのかを

 

尋ねてみたり、

 

可能であれば現在工事中の

 

現場を見学させてもらい、

 

職人さんの

 

印象を確かめてみることで

 

何か見えてくることがあるかも

 

しれません。

 

 

職人達が

ピリピリしていたり

ギスギスしていたり

気持ちが入っていない現場作業

により完成した家

 

 

職人さん達が

一所懸命に気持ちを込めて

現場作業をして完成した家

 

これは両極端な例えです。

 

 

とは言え

 

工事中のプロセスを見ずに

 

目視による現場検査では分からない

 

領域のことが

 

住まいづくりの中で起きているのです。

 

 

職人さんも人間なので。

 

 

 

 

中古を買ってリノベという

新しい住生活スタイル

 

仙台市内で活動する

仙台不動産情報ライブラリー

(運営:株式会社スイコー)の

澤口(さわぐち)でした。

 

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