賃貸住宅の敷金・原状回復トラブル
引っ越し前に知っておきたいポイントとして、賃貸住宅で特に相談が多い 「敷金」や「原状回復」 に関するトラブルについて、わかりやすく解説します。
退去時のトラブルはなぜ多いのか?
国民生活センターによると、
「敷金が返ってこない」「敷金以上の修繕費を請求された」
といった相談が毎年多く寄せられています。
特に多い相談内容は次のようなものです。
よくある相談例
- 敷金の半額返金と聞いていたのに、清掃費が追加されて返金ゼロになった
- 10年以上住んだペット可物件で、高額な原状回復費を請求された
- 4年住んだ部屋の壁紙張替え費用を請求されたが納得できない
- 敷金の金額が請求書と実際の支払いで違う
- 「敷金礼金0円」と説明されたのに、後から敷金を請求された
こうしたトラブルは、借主・貸主の認識の違いや、契約内容の理解不足が原因で起こることが多いです。
(独立行政法人国民生活センター公表資料よりスイコーにてグラフを作成)
トラブルが起きる主な原因
国民生活センターは、以下のような点を問題として挙げています。
・原状回復の意味が正しく理解されていない
→「通常の生活で生じる傷や汚れ」は本来、借主負担ではありません。
・退去立ち合いが不十分、記録が残っていない
→写真やチェックシートがないと後で揉めやすいです。
・原状回復の範囲について認識のズレがある
・費用の算出方法が不明確
・契約書の特約がトラブルの原因になることがある
→特約がすべて無効になるわけではありませんが、内容によっては無効と判断されるケースもあります。
トラブルを防ぐための4つのポイント
国民生活センターは、次の対策を勧めています。
① 退去時は必ず立ち合いをする
家主・管理会社・仲介業者などと一緒に、部屋の状態を確認しましょう。
写真を撮っておくと安心です。
② 原状回復費用の内訳をしっかり説明してもらう
「なぜこの金額なのか?」を明確にしてもらいましょう。
③ 見積もりは複数業者で比較する
家主側に依頼して、複数の見積もりを提示してもらうことも可能です。
④ 話し合いで解決しない場合は相談機関へ
民事調停や少額訴訟などの手続きもあります。
まずは消費生活センターに相談するのが安心です。
原状回復の「特約」は有効?無効?
本来、通常損耗(自然に傷む部分)や経年劣化の修繕費は家主負担です。
しかし、契約書に「借主負担」と書かれているケースもあります。 このような特約が有効かどうかは、裁判でも判断が分かれています。
過去には複数の裁判例があり、 「特約が有効とされたケース」 「無効と判断されたケース」 どちらも存在します。
つまり、契約書に書いてあるからといって、必ずしも借主が負担しなければならないわけではないということです。
引っ越し前にできる最善の対策
敷金や原状回復のトラブルは、退去時だけでなく 入居前の確認 も重要です。
- 契約書の特約をしっかり読む
- 入居時に部屋の状態を写真で残す
- 退去時は立ち合いを行い、記録を残す
そして、もしトラブルになりそうな場合は、
早めに消費生活センターへ相談すること をおすすめします。
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